松崎

岩科学校〜重要文化財〜

いわしながっこう
電話/0558-42-2675(岩科学校)
料金/大人300円、中学生以下無料
営業/9:00~17:00
定休日/年中無休
住所/静岡県賀茂郡松崎町岩科北側442
駐車場/30台

国指定重要文化財の学校建築

岩科学校は、なまこ壁を活かした社寺風建築様式とバルコニーなど洋風建築様式を取り入れた伊豆地区で最古の学校建築です。明治12年4月に着工、翌13年9月に完成しました。日本では甲府旧睦沢学校(明治8年)、松本の旧開智学校(明治9年)などに次ぐ古い学校建築として知られています。岩科学校は平成4年11月に2年間の改修工事を経て、明治13年の形に復元されました。長野県松本市にある同じく重要文化財の旧開智学校と平成17年に姉妹館提携をしています。

 

 

岩科学校の歴史

松崎では村内の教育振興熱が高く、明治12年当時、校舎新築のための寄付金が集められました。総建築費は2,630円66銭で、そのうち4割余りが寄付金でまかなわれました。戸長(現在の町村長)・佐藤源吉らにより新築計画が進められ、岩科村大工棟梁・菊池丑太郎、高木久五郎によって設計施工されました。正面玄関に掲げられている「岩科学校」の扁額は、時の太政大臣・三条実美の書で、上の龍は鏝絵師・入江長八が棟梁のノミを借りて彫ったと伝えられています。

 

 

校舎に一歩入るとタイムスリップ

木造の校舎は温もりに溢れています。明治時代の学校の教室や校長室を再現した部屋は、当時を知らずとも昔の学校の暮らしぶりがイメージできます。他にも当時使われていた農具や近くにある平野山から出土した縄文土器、まゆの産地でも有名だった松崎ならではのまゆの資料展示などのも見学ができます。

 

 

残された漆喰鏝絵師・入江長八の作

漆喰鏝絵(しっくいこてえ)とは左官が壁を塗るこてで絵を描いたものです。入江長八は鏝絵師の中でも鏝絵を芸術の域にまで昇華させたことでも有名は職人です。校舎の2階客室の西の間は、日本間で作法や裁縫の授業に利用されていました。ここには長八の傑作『千羽鶴』があります。床の間はのぼり太陽を表現して紅の壁、脇床には縁を配して松を表現しています。欄間には長八によってつくられた千羽鶴が、一羽一羽形を変えて描かれ、日の出を目指して飛翔する姿が見られます。

 

 

旧村役場も敷地内に移築保存

学校の敷地内にある『開化亭』はもとは岩科勝者としてつくられ、後に岩科村役場として使用されていました。明治8年に建てられた由緒ある建物を移築復元され、現在は休憩所として利用されていて、伊豆特産のお土産や当時使われていた教科書など、昔懐かしいおもちゃが販売されています。松崎名物「桜葉」を使用したアイスも食べることができます。

 

 

入江長八を詳しく知りたい方へ

松崎の生まれである漆喰鏝絵師・入江長八の美術館が岩科学校から約2kmのところにあります。こちらでは長八作品のほか、漆喰鏝絵について深く知ることができます。

 

 

町内のなまこ壁民家を巡ろう

町内には岩科学校で使われているような、黒い平瓦と白い漆喰の構成の『なまこ壁』が施された建物が点在しています。『中瀬邸』や『伊豆文邸』は中を見学することができます(中瀬邸は有料100円)。

 

 

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